われわれが目指すもの(ヘッドコーチ・町野の指針)


こういう、あいさつ文て堅苦しいものが多いんですけど、ここは敢えて口語調で書きます。その方が私の人柄っつーか、持ち味が出るような気がするので。
ここでは個人的な『想い』を書くつもりですし。

さて、FAKERSが目指すものですよね。大きく分けたら二つあると思っています。

堅い言葉になっちゃうんですが『普及』『信頼・成長』です。

『普及』とはつまりアメリカンフットボールの『普及』です。これは私の個人的な思い入れによるものです。つまりアメリカンフットボールをもっともっと世の中に広めたい。もっともっと身近なものにしたいと思っているのです。

何故か?それは私がこの競技からたくさんのことを教わったからです。
心から勝ちたいと思った試合で勝つことが出来たこともありました。逆に死ぬほど勝ちたい試合を自分のミスで落としてしまったこともありました。本当にたくさんのことを、自分や他人との関わり、あるいは勝負の厳しさや楽しさをこの競技を通して学んできました。

だから。

だからこそこのスポーツに恩返しをしたい。こう考えているのです。

そのためにはもっともっとフットボールを世に広めることだと思っています。私にとっては鎌高のような公立高校のフットボールのコーチをやっていることに大きな意義があるのです。

だってそうではありませんか。

世の中の大半が公立高校(多分)なのに、そこで普及することが出来なかったら、あるいはそこに通う高校生にとって身近なものでなかったら、このスポーツは「私立高校かあるいは一部の物好き公立高校でのみ行われる超マイナースポーツ」という枠を飛び出ることは出来ないと思うのだ。あるいはこのスポーツが日本から消え去ってしまう。
(一方でフットボール関係者はこのスポーツを「超マイナースポーツ」だと自覚する必要がある)

でも!

公立高校でも立派にやっていけるんだ!というモデルケースとして鎌高っつーのはうってつけなのだ。だからこそ、私は公立高校である鎌高でコーチをすることにこだわっているのである。

しかも、顧問の先生に頼らない(もちろん多大なるご協力は頂いておりますが・・・)という体制も大切だと思う。公立高校の先生には転勤はつき物。これはフットボールに限った話ではないが、先生の転勤でチームが立ち行かなくなってしまうケースもよくあるのだ。FAKERSは創部以来ずっと外部の人がコーチをしてきたからそういった心配もない。つまり、環境の変化に左右されることがないのだ。OBも良く来てくれるし。

こういうことも含めて他のチームや高校のモデルになること、しいてはフットボールの普及に役立つことができれば、と思うのだ。





『信頼・成長』

月並みな指導者の言葉っぽくって嫌なんですけど、全くこの通りと痛感することが多いのでそのまま使います。

まず、フットボールは「分業」のスポーツだというのは良く耳にすると思うのですが、その反面、『信頼』のスポーツだということです。

つまり、隣にいる仲間がきちんと仕事をすることを前提にプレーが成り立っている。

例えば私がやっていたRBというポジションなどはラインと呼ばれる大男たちが相手をブロックして開けてくれた走路をボールを持って走るのですが、私は彼らがブロックしてくれるということを「信頼」していなければタックルされるのが怖くて走れません

ラインの人からしてみたら、私がボールを運んでくれるだろう、ということを「信頼」していなければ、ブロックなんて馬鹿馬鹿しくてやってられないと思うのです。

この「信頼」というのはフィールドの中だけではありません。サイドラインのコーチが選手を、選手がコーチを、オフェンスがディフェンスを、ディフェンスがオフェンスを・・・と「信頼」が連綿と連なったスポーツなのです。

これって今の社会にとって凄く大事なことだな、って私思っています。良し悪しはともかく、個人主義が声だかに叫ばれ「個性」を大切にする時代。一方で「個性」を盾に横行する無軌道な行動・・・耳を塞ぎたくなるような事件の数々・・・

「個性」と「信頼」とが同居するこのスポーツが持つ可能性は、この時代だからこそ必要だと思っているのです。

その中で今まで「個性だ」「自分だ」と育てられてきた高校生が他の人を信頼することを知っていく。

あるいは人から信頼されるために必要なことを知っていくというのは彼らの人間としての成長に大きく寄与することが出来るのではないかと思うのですが。






以上の二つ『普及』『信頼と成長』そしてなによりも「公立高校でもアメフトを楽しめる」ということの証明として

試合で勝つこと(いつかは日本一、である)

チームが永く続くこと

以上の二つのことが我々のゴールであると言える。

50年後、100年後もこのチームが形を変えることはあったとしても脈々と存続し、そしてその時の歴史の一部に私が寄与することが出来るとしたら最高だ、と思うのだ。


注)以上はあくまで私がFAKERSというチームを率いる上での方針であり決して学生やスタッフ、父兄の方々に強いるものではありません

2004.03.23